墜落日記 - 2007年9月5日の墜落
ISO 国際標準になれなかった Office Open XML
Microsoft が推進する XML 形式フォーマット、Office Open XML (OOXML) が ISO 国際標準として承認されなかった。
対して、OpenOffice.org などが採用している Open Document Format (ODF) は既に ISO 国際標準として採用されている。
Microsoft の OOXML の ISO への提出は、国際標準のフォーマットを巡って ODF への対抗措置から発したものと言えるが、大きな黒星と言えよう。
何故コレが大きな問題となるのか?
簡単な話である。
Microsoft Office で保存した文書をまともに表示するためには Microsoft Office が必要である。
互換性の高さを謳っている OpenOffice.org 等でも、Office 文書の、ユーザにその他 Microsoft 製品を使わせるための複雑すぎる機能を 100% 再現できるわけではない。
だから一度 Microsoft Office で文書を作ってしまうと無意味にバージョンアップする Microsoft Office を延々と追いかけ続ける必要がある。
もちろん Microsoft Office が稼働する Windows も必要だ。
これは文書フォーマットによる囲い込みに他ならない。
バージョンアップの金額に頭を痛めるかも知れない、企業ならライセンスで首が回らないか?
なんにせよ OS とオフィススイートのダブルパンチだからなかなかに痛い。
だが更にコレが行政で発生した場合、行政機関が Microsoft に囲い込まれることになる。
Microsoft の販売・経営戦略の匙加減ひとつで我々の血税が無意味に吸い取られる危険性すらあるのだ。
Microsoft にとってはこれほど美味しい循環構造はない。
………正直、勘弁してほしいわけである。
だから特定のメーカ、環境、知的財産権などに依存しない国際標準としての文書フォーマットが必要で、特に行政や国際機関はこれの利用を徹底すべきなのである。
行政機関の調達の基準には「国際標準の文書フォーマットが入出力できるアプリケーション」という限定をすればよいのだ。
今回採用が見送られた OOXML には様々な問題があると各方面から言われている。
根本的な問題は Microsoft Office のプロプライエタリなバイナリ形式の文書フォーマットをそのまま XML っぽくしただけのところに端を発しているようだ。
OOXML は Office がその他の Microsoft 製品をユーザに使わせるための仕組みが盛り込まれていて複雑すぎる上に、Windows や Microsoft Office でしか動かないような環境依存性があり、暗号化フォーマットなどで国際規格の再利用を避けていることや、既に国際標準である ODF と互換性がないこと、現時点で OOXML を実装しているのは Microsoft Office 2007 のみであるなど、大から小まで枚挙に暇がない。
さらに Microsoft の知的財産権を全く侵さず―――例えばフリーソフトウェア陣営や、オープンソース陣営が―――自由に実装できるのか不明確。
………いや、これが国際標準になれることの方がおかしいだろう? 正直な話し(笑)
「Microsoft Office が ODF を扱えれば良いではないか」と思う向きもあるかもしれない。
だが、Microsoft はそうは思わないだろう。
Microsoft にとって OOXML が国際標準になる、国際標準の看板を貰うことが重要だったのだ。
OOXML が国際標準であれば OOXML を扱える Microsoft Office が国際標準のお墨付きを貰ったことになるのだ。
だから、たとえそれが Microsoft Office でしか読めない、プロプライエタリと事実上大差ないフォーマットだとしても一向に構わない。
それは前述の Microsoft にとって美味しい循環構造を維持する手段に他ならない。
と言うわけで、OOXML が国際標準として承認されなかったことにまずは一安心することとしよう。
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