墜落日記 - 2007年12月19日の墜落
カタストロフは2月13日
日本語版 Internet Explorer 7.0 の自動更新による配信が 2008 年 2 月 13 日になったらしい。
Microsoft TechNet の記事により明らかにされた。
Internet Explorer と言えば Windows にブラウザを抱き合わせして他社ブラウザを排斥した後、あぐらを掻いて進化がパタッと止まった 6.0 が長期間にわたりインターネットに公害をまき散らしていたことで有名である。
独自仕様の機能を山ほど付け、Web 標準で運用しようとすると途端に仕様で役に立たなくなる、その割に上記のように OS に抱き合わせられていたから初心者ユーザは何も考えずに使ってしまう状況にあるという、まさに公害である。
で、当然だが一度撒き散らかされた公害は簡単には治らないのである。
あぐらを掻いている間に Firefox などの Web 標準を高いレベルでサポートするブラウザが世に出てくるようになって、それらがじりじりとシェアを伸ばしてくるに至ってようやく重い腰を上げたわけだが………
今度は公害 6.0 と 7.0 のあまりの差違に重大な問題が起こるわけである。
-
IE 7.0 は Windows 2000 には対応しない。
と言うか、ブラウザと OS を癒着なんて変なコトするからこういう馬鹿なことになるわけだが、Vista は当然として予算などの政治的な問題で XP にも移行していない場所って殊の外多い。
(単純な経済論理で言って 2000 で済んでいる仕事をわざわざ PC 買い換えてまで XP でやる必要はない)
結果として 6.0 と 7.0 の混在環境となるので状況がややこしくなる。
-
IE 6.0 の時代が長すぎたので、6.0 の独自仕様を使いこなすためのテクニックが良くも悪くも拡がりすぎている。
これが 7.0 で悪さする可能性も否定できない。
- 標準でタブブラウザになってしまう。
なにげに、IE 6.0 でしか動作確認を取っていないシステムというのは多かったりする。
これが 10 億円とかかかったシステムだったりすると 7.0 対応費用も馬鹿にならないで放置されている可能性も充分に有り得る。
特に企業の業務システムの場合、顧客要望や業務要件を満たすために敢えて Web 標準を使わずに IE 仕様を利用していることも多く、IE 6.0 以外では事実上稼働しないシステムは枚挙に暇がない。
あとは技術力の圧倒的な不足によって本来 Web 標準で設計しても充分に対応できる要件にもかかわらず IE 6.0 以外のブラウザで動かすことが出来ないケースもある―――いちばん間抜けなケースだ。
タブブラウザもなにげに問題だったりする。
自分が過去に関わった案件では、セッションに保存した情報の破棄をトップメニューに戻ったタイミングで強制して行うという、なんちゅ~か対処療法的な仕様で動いている物もある。
要はコレ、エントリー系の画面とマスタメンテナンス画面を同時に開いて、マスタメンテナンス終了後にメニューに戻ってしまうと、なんとエントリー系の画面のセッション情報もサッパリ消されて予期せぬエラーが出てしまうのである。
これが発覚して、共通チームの連中は仕方ないからシステム起動時の呼び出し元画面からひとつのウインドウしか開けないように無理矢理な実装で制限をしたのだが、タブブラウザを利用すると容易にこのその場しのぎの対処療法が突破されてしまう………意識せずにだ!
根本的に Web システムで企業の基幹業務システムを作ること自体に未だに自分は懐疑的なのだが、実際のところ流行病のように Web システムが蔓延してしまっている。
(Ajax? アホか!! あれも所詮は流行病、ポンポン乗り換えるアプリでは物珍しさで良いかもしれんが、あんなメンテナンスもデバッグもしにくい構造で企業生命がかかる上にその他十把一絡げの安いプログラマ集めて作らにゃならん大規模な基幹システムなんか組めるか!)
そんな中で IE 6.0 にだけ対応すりゃいいやといい加減に作ったシステムが2月13日を境に大崩壊する可能性がある。
IE 6.0 以外では動かないとベンダに言い切られているシステムを維持している企業は、とにかく早期に対応を打つことを推奨する。
対応方法は基本的に以下の何れかとなるだろう。
- IE 7.0対応を2月13日までに終えて悠然と構える
- ブラウザ側にプラグインを要求するシステムはプラグインの対応バージョンにも要注意だが、これが出来るのなら一番問題はない。
- Internet Explorer 7 Blocker Toolkit をダウンロードして展開する
-
要は Windows Update で勝手に IE 7.0 に置き換わらないようにするわけだが、このツールキットを展開する手間は馬鹿にならない。
しかし一番現実的な手段だろう。
- 更新プログラム管理ソリューションを展開する
- 要は社内の端末を全て管理下におけと言っているわけだが、そもそもこれが出来ているのなら騒ぎにはならない、現実的に無理。
- ユーザーが各自のコンピュータでローカル管理者として実行しない
-
Windows Update がそもそも実行できない状態にクライアントを設定しろと言うことである。
Windows XP Home ならアウトじゃねぇか? とか思うが、そもそもこれをやってしまったら必要なセキュリティフィックスも出来ないということであるからして馬鹿丸出しである。
- 更新プログラムをインストールできることが自動更新から通知されたときに、Internet Explorer 7 のインストールを拒否するよう、ユーザーに指示
-
もっとも馬鹿な方法である。
そもそもそんなメッセージなど読まずにクリティカルに I Agree するユーザが大半である。
2月13日は近い。
カタストロフは起こるかもしれない、起こらないかもしれない。
起こるか起こらないかを一刻も早く正確に捉えて相応しい対応をすることを、基幹システムを預かる情報システム部門に期待したい。
コメントは投稿されていません。