墜落日記 - 2008年6月24日の墜落
再考、技術革新と技術寿命
どうも、次期 PHP 6 でサポートされる名前空間が PHP 5.3 でもサポートされるらしい。
今まで PHP には名前空間のサポートが無かったので、キチガイじみた長い名前の関数名やクラス名が飛び交っていた。
その様はもはや魑魅魍魎が跋扈する地獄絵図だ。
自分が汎用的に公開されている PHP のライブラリを使いたくない原因のひとつでもあった。
これを解決する名前空間のサポートが PHP 5.3 にバックポートされるらしい。
(ま~元々は PHP 5 で名前空間のサポートがされるはずだったんだけどね)
ちょっと嬉しいニュースだ。
手元版 Ag:PURE の 2.0 を名前空間前提で再設計してみる価値がある。
で、こっそり次の案件で使ってみてバグ出しを………(爆)
そう言えば MySQL 5.1 の安定版もそろそろ出るのではないか?
今の所 Release Candidate だが、もう Generally Available になっても良い頃の筈だ。
ま~新型ストレージエンジン Falcon は MySQL 6 から標準サポートらしいから楽しみはまだ先なのだが………
なんちゅ~か基本的に新しもの好きだが alpha geek って程でもないので安定版を待ってしまうヘタレな自分ではあるが、PHP 5.3 と MySQL 5.1 はちょっとそろそろ試してみようかと………
考えてみれば PHP 5 は Beta から付き合ってたわけだしな(笑)
前置きはこの程度にして、本題に入る。
さて、最近は最新技術だ alpha geek だと最新技術を追っかけるのがトレンドというか、もはや強迫観念になっている感じがする。
最新技術に明るく、新しい技術を革新的な技術に育てていく、そしてそういう現場にいる技術者が英雄扱いだ。
しかし、はたしてこの風潮、現実的なビジネスの世界で本当に良い状態なのだろうか?
自分は必ずしも良い状態ではないと思ってしまう。
と言うのも、技術革新が速いことは、技術寿命が短いことと同義なのだ。
特にオープン系で技術寿命の短さは顕著で、これは企業生命を預ける基幹システムの構築に適さないことに直結する。
例えば 10 億円かけて Solaris + JAVA + Oracle 辺りで WEB の基幹システムを作ったとしよう。
しかし稼働してから 4 年後にはハードウェアの保守期限が来る。
(通常は 5 年だが、それほどの規模のシステムとなると稼働 1 年前程度にはハードウェアが用意されていることが多いので、自動的に稼働後の寿命は短くなる)
これが単純に保守期間の更新だけなら可愛いが、保守部品が無くなるから新しいハードウェアを買えと迫ってくるからたまったものではない。
さて、ではハードウェアの入替だけで済むかというと、ほとんどの場合は済まない。
5 年も経てば OS をバージョンアップせざるを得なくなる。
JAVA もきっと EOL を迎えてバージョンアップを余儀なくされ、それに伴いミドルウェアもバージョンアップ―――最悪の場合では代替策への入替―――が余儀なくされる。
そうするとプログラムの改修作業が発生し、設計、実装、単体、結合、総合、受入と必要になり―――結局 1 億円以上の追加投資と多大な内部工数が発生したりする。
よくあるオープン系で基幹システムを作った場合のシナリオだ。
これが昔の大型汎用機+COBOLで組まれていたり何かすると、実は大型汎用機ってとっくの昔にハイパーバイザ形式の仮想環境になっていたりするので、文字通り載せ替えだけで済むことがある―――というか自分はそのケースを何度か目にしている。
オープン系は新しい技術でありながら大型汎用機+COBOLという昔の技術の運用性能に遠く及んでいない。
これはオープン系が技術革新が速く技術寿命も短く、さらにオープンであるが故の問題の顕在化である。
IT 系の技術者や情報源は実はこの辺りを全く度外視して最新技術を追いかけているから質が悪い。
こんな技術はとてもではないが安心して企業生命を預ける基幹システムの構築には使えない。
企業は自分達の企業活動と直接関係ない技術と心中することは出来ないのである。
以上は仕事を進める上での問題だが、IT 技術者の人材という面でも実は問題があると思う。
掲示板での会話でふと思ったのだが、5/28 に開催された IPAX2008 で、IPA 理事長の西垣浩司氏が伊藤忠商事の取締役会長、丹羽宇一郎氏の「入社して最初の10年は泥のように働いてもらい、次の10年は徹底的に勉強してもらう」という言葉を引用しつつ「10年は泥のように働けます、という人は?」と学生に挙手を求めたところ、手を挙げた学生は 1 人もいなかったらしい。
(参考・引用:「10年は泥のように働け」「無理です」――今年も学生と経営者が討論)
この発言自体はプログラマから始まって、エンジニア、マネージャとステップアップする(日本型の会社組織でよくある型にはめられた)出世コースをイメージしているのだろうが、彼らが現役だった時代、果たして今ほど技術革新が速く、技術寿命が短かっただろうか?
そんなはずはない。
ぶっちゃけ大型電算機+COBOL(オフコン+COBOLと言い換えても良い)のパラダイムは 10 年やそこいらのスパンではなかった。
だから 10 年間泥のように働いてもその後に利用する技術基盤にさしたる変化はなかった。
しかし今は 10 年間泥のように働いてしまったら現場の仕事をまわす技術は付いてもその後の 10 年間を戦える技術は付かない可能性が高い―――つまり 10 年間の努力が報われるビジョンがない。
最悪 10 年という時間が単純に浪費されてしまう。
そんな現状では当然 IT 業界へのネガティブイメージはドンドン強くなり、タダでさえ人材が枯渇しているのに新しい人材が入ってこない閉塞状態に陥りかねない。
これは技術革新の速度と技術寿命の短さに経営陣が追いついていない悪い例だと考える。
最新技術を追いかけるのも良いし、alpha geek をやりたきゃやれば良い。
それ自体は悪いことではない。
その背後にあるのが加熱しすぎて崩壊寸前の資本主義経済(もしくはマネー主義経済)の暴走だとしても、IT 技術自体に罪があるわけではない。
だが、ちょっと立ち止まって、本当に必要な技術、本当に安心できる技術という側面から考えることもすべきだ。
それが企業生命を預ける基幹システムなら尚更のこと、技術寿命が長い、運用性能の高い技術も考慮すべきだ。
そして基幹システムをガッチリ固めた上で、戦略的フロントシステムを最新技術で運用するようなメリハリが必要になるだろう。
さて、貴方はどう考えますか?
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