墜落日記 - 2009年4月7日の墜落
中小企業緊急雇用安定助成金の光と影
本日仕事帰りにフラッとヨドバシに寄ったら、なんか見覚えのある Mini ITX 対応の PC ケースが置いてあった。
オウルテックの NOAH800AL-BK というケースだが、なんか滅茶苦茶に見覚えがあった。
間違いないと思う、A.T.WORKS の NIRVANA が採用しているケースと同型だ。
自宅に帰って調べてみたのだが、おそらく OEM 元の DIRAC の Noah 800 シリーズのアルマイトバージョンが NIRVANA が採用しているケースなのだろう。
実際に PCI Express x16 用のライザーカードもラインナップにあるし。
で、ケース形状を眺めてふと思った。
ああ、こりゃ大丈夫だな。
多分 Intel EXPI9404PT(PRO/1000 PT Quad Port Server Adapter)は問題なく入るな、という印象である。
ただ、ハードディスクの位置が EXPI9404PT の直上になる様なので、側面の 80mm ファンの冷却効果をちゃんと維持しないと EXPI9404PT の発熱が問題になるかもしれず。
いっそハードディスクを SSD 化するなりして発熱を抑えたり、SATA⇔CF 変換で無音にしたりも良いかも。
ま、消費電力が 12W なら EXPI9404PT の発熱も恐れるほどではないだろうし、2.5 インチハードディスクなら EXPI9404PT との間に空間が出来るはずだから大丈夫だと思うけどね。
ちなみに本日は此方が本題。
中小企業緊急雇用安定助成金という制度がある。
景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、休業等(休業及び教育訓練)又は出向を行った事業主に対して、休業手当、賃金等の一部が支給されます。
という雇用調整助成金の拡充版である。
昨今の景気悪化により急激に悪化した雇用情勢を少しでも和らげるため、特定の条件を満たせば休業、教育訓練などの期間中の給与支給額の 80% を助成するという内容である。
例えば、大手システムベンダから仕事を貰っているほとんどの中小ソフトハウスなんかは、昨今の不景気から来る設備投資の急激な冷え込みで仕事総量が減って、凶悪なまでに仕事のない人間―――未アサインの増加に陥っている。
予算のほとんどが人件費で占められる中小ソフトハウスにとって、未アサインの大量発生は事業継続に対して不可避のダメージを与える切実な問題である。
単純計算しよう。
売価が人月で 80 万円、その原価が 70 万円の会社があるとしよう。
その会社で 1 人未アサインが発生したとして、当月内で赤字に転落しないためには 7 人がちゃんと稼ぐ必要がある。
では 2 人目の未アサインが出たら?
もちろん赤字転落である。
現実はこんな簡単な計算ではない。
会社には利益を上げないが必要な経費―――間接費が存在するし、売価や単価も一律ではない。
しかし予算のほとんどが人件費である中小ソフトハウスにとって、未アサインの大量発生が事業継続に対して不可避のダメージを与える切実な問題だということは納得できることだろう。
この様な問題に直面した中小企業を何とか助成して、まずは事業継続、結果として雇用を維持しようというのが中小企業緊急雇用安定助成金の掻い摘んだ主旨である。
これ自体はよい。
というか非常に助かる。
年度が明けて仕事が無くなって未アサインが大量に出るこのタイミング、この助成金がなかったら間違いなく倒産件数はうなぎ登りだろう。
企業の経営者が事業継続を一義に助成金の獲得を考えるのも至極当然である。
しかし、その運用に問題は無いだろうか?
行政側ではない、助成金を受ける側だ。
助成金を受けて教育訓練を受ける社員と、幸いにも仕事にアサインされた社員の間に確実に生まれるであろう溝を、経営側はちゃんと認識しているだろうか?
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仕事にアサインされた社員から見て、教育訓練を受ける社員が「楽な仕事で同じ給料」に見えることは無いだろうか?
※特に裁量労働制を採用している会社は危ない。
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仕事にアサインされた社員が忙しく動き回っている時に、その横で教育訓練を受ける社員がダラダラと時を無為に過ごしていないだろうか?
※特に同じフロアの目の届く範囲に同居していると危ない。
仕事にアサインされた社員と教育訓練を受ける社員の仕事に対する意識の違いは、そう時をおかずに表面化する。
表面化した意識の違いが仕事にアサインされた社員のモチベーション低下に貢献してしまうのも容易に想像ができる。
だが、当たり前だが仕事にアサインされた社員に「仕事をしていない社員より損をしている」と思わせてはアウトなのである。
逆もある。
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教育訓練を受ける社員の給与を減じたり、賞与を与えない前提などを打ち出した際に、教育訓練を受ける社員にちゃんと説明責任を果たしただろうか?
※自分の知らないウチに勝手に給料が減らされたと思われかねない。
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教育訓練を受ける社員に未アサインで助成金の対象となった事実とその経緯を納得できる形で説明しただろうか?
※そもそも仕事が無い原因が経済状況と無関係な人為的ミスだったりしないか。
もちろん教育訓練の対象になってしまった瞬間に「ラッキー♪ 仕事しなくて良いんだ♪」とか思った糞馬鹿は遠くない将来に処遇を考えるべきだ。
この御時世に今の仕事が嫌だとか飽きたとかスキルチェンジだとか抜かして、自分で仕事を獲得する能力もないのに一丁前に仕事だけは選ぼうなんて考える甘ったれも遠くない将来に処遇を考えるべきだ。
(というか、この御時世にそんな甘ったれたこと言う奴は仕事と一緒に会社も辞めてくれ、マジで)
だが、本当に仕事をしたいのに助成金を受けるために教育訓練を受けざるを得なかった社員に「自分は要らないの?」と思わせてはアウトなのである。
助成金を受けるのはいい。
事業継続を第一義に考えるのは経営者として当然の判断だ。
しかしその運用を中途半端にすると、事業継続を第一義に考えたはずが気が付いたら会社組織がズタボロになってしまって空中分解、結局のところ事業継続も出来なくなってしまう本末転倒な結果に終わる危険性も存在しないわけではない。
このように、中小企業緊急雇用安定助成金はなにげに運用の難しい制度なのである。
経営者、管理者はそれをちゃんと認識してほしい。
この手の問題は、表面化した時には既に手遅れなのだ。
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