墜落日記 - 2009年4月21日の墜落
神託が招くは永久の白夜か、それとも極夜か?
まだ本体が届かないが、NIRVANA に導入予定の Transcend TS8GSSD25S-S が届いた。
SATA 接続の 8GB SSD である。
先日の墜落日記で書いたとおり、様々な熱源にハードディスクが耐えきれなくなる切ない事態を回避するための、我が家で初の SSD 導入となる。
しかし、初の SSD 導入となるので始めて体感したわけだが、途轍もなく軽いなぁ~ SSD って(笑)
玩具みたいに軽い。
ま~ 8GB って低容量なのも原因しているとは思うけど、タダでさえ軽い TOSHIBA dynabook SS RX1 こと仕事用モバイルノート機《めろん》を SSD 化したら素晴らしいだろうなぁ~………
ま~ MLC はイマイチ買いたくないので SLC の容量がもう少し大きくなったらの話だけど、Intel が 128GB SLC 出したらダイブの価値あるよなぁ~………
GB 単価がエライ高いけど(涙)
本日は此方が本題。
Sun Microsystems 社が Oracle 社に 74 億ドルで買収された。
先日業界を駆け巡ったニュースである。
これで Oracle 社は自社のデータベースマネージメントシステムを提案するためのハードウェアから言語、OS 環境まで全て手に入れたことになる。
少し前に話題になった MySQL 社の買収失敗があるが、Oracle 社は Sun Microsystems 社を買収することで最終的に MySQL 社をも手中に収めた形になる。
MySQL 社は Oracle 社が InnoDB の開発元 Innobase 社、Berkeley DB の開発元 Sleepycat Software 社を相次いで買収したことに危機感を覚えて独自ストレージエンジンの開発に着手したし、Sun Microsystems 社に身売りした。
その努力―――悪い言い方をすれば足掻きが今回 Sun Microsystems 社がこともあろうに Oracle 社に買収されたことで水泡に帰したことになる。
今後 Oracle 社が MySQL を引き継ぐとすれば、ハイエンドエンタープライズ DBMS として看板製品である Oracle との棲み分けの意味でも MySQL をミドルからローエンド向け DBMS として位置付けるというのが大方の見方か?
しかし、そもそも Oracle 社にとって MySQL というテクノロジーは本当に必要なのだろうか?
Innobase 社と Sleepycat Software 社を相次いで買収して MySQL 社の外堀内堀を埋めてから潰しにかかったプロセスと言い、自分には Oracle 社は MySQL が欲しいのではなく Oracle に対抗しうる存在になりかけている MySQL を封じたかっただけに思えてならない。
Oracle 社にとって MySQL の技術などぶっちゃけどうでもいい筈だ。
さて、そうなると問題は MySQL の今後の動向だ。
オープンソース DBMS の雄であった MySQL がプロプライエタリ DBMS の雄である Oracle 社の管理下に入ったことで、地殻変動が起こる可能性も否定できない。
要するに MySQL のフォークである。
Oracle 社の方針により MySQL のエンタープライズ分野への機能強化が頭打ちになった場合、コミュニティは MySQL のプロジェクトをフォークしてしまう可能性もある。
おそらく MySQL を名乗ることは出来ないから、MySQL 由来の別の DBMS の誕生と共に MySQL の終焉が訪れることになる。
それと同時に InnoDB と Berkeley DB のライセンス供与を Oracle 社が止めてしまえば MySQL の息の根を止めることが出来る。
満足にトランザクションも使えない ISAM 型データベースや、未完成のストレージエンジンだけで MySQL が今後も現在の地位を維持できるとは到底思えない。
オープンソース繋がりであれば、OpenOffice はどうなる?
Oracle 社が OpenOffice を積極的に維持する必要性はあるだろうか?
OpenOffice と直接激突するのは言うまでもなく Microsoft の Office だが、オープンソース陣営が何を騒ごうとも、Oracle 社が OpenOffice を積極的に維持して Microsoft と激突する必然性が自分には見いだせない。
そうなると Sun Microsystems 社が行っていた OpenOffice へのコミットメントが維持されるのかも怪しいものである。
それらと同様に今後の展開が気になるのが JAVA だ。
JAVA は現在様々なエンタープライズソリューションやオープンソースプロジェクトの多くで利用されている言語だが、Sun Microsystems は JAVA の互換性の維持などに積極的に勤め、かつその成果を「無償」で公開していた実績がある。
JAVA という言語が今まで利用されてきた背景には、JAVA が Sun Microsystems の製品でありながら各ベンダと等距離にある中立的な言語だったからという理由もある。
しかし Oracle がこれを継続する保証はない。
JAVA に関して何らかのライセンシーを求めてくる可能性すらあるのだ。
JAVA の方向性に Oracle 社の方針が大きく介入してくると、JAVA 界隈に関しても地殻変動が起こる可能性を否定しきれない。
Sun Microsystems 社が Oracle 社に買収されたことは、オープンソース陣営にとっては不安材料でしかないのではないか?
なお、Oracle 社はハードウェア事業に関しては富士通辺りに売却してしまう可能性もあるのではないかと実は思っている。
Sun Microsystems の SPARC チップや SPARC チップを搭載したサーバ製品を生産しているのは、もはや富士通のみと言っていい。
更に富士通の事業の中で SPARC 関連の比重がそれなりに大きいのも事実だ。
しかし今後 SPARC 関連のハードウェア事業が伸びていくことは正直難しいと思われる。
そうすると Oracle 社はハードウェア事業を継続するよりも富士通に売却してしまった方が傷口を大きくしなくて済む。
と、ここまでは Oracle 社に否定的な方向からの意見。
ここからは自分らしくない好意的な解釈をする。
もしかしたら、Oracle 社はソフトウェア専業ベンダという業態の限界を回避しようとしているのかもしれない。
ハードウェア事業を中核にソフトウェアがサービスだった汎用機全盛の時代からソフトウェア中心の世界に移行させたのは Microsoft 商法であり、その後ソフトウェア専業ベンダという業態は一般化した。
現在、ソフトウェア専業ベンダというと Microsoft は当然で、Oracle、SAP がトップスリーと言える。
しかし実際には Microsoft にしろ SAP にしろ、ソフトウェア専業ベンダという枠組みの中で限界が見え始めている。
Microsoft は Windows 以来の新しいソリューションを開拓できずにいるし Vista の大コケもあって虎の子の OS 事業に影が落ち、OpenOffice の台頭は Office スイートにも少なからず影響が出始めているはず。
SAP も新しい製品をリリースしているかというとそうでもない。
もし Oracle 社が Sun Microsystems 社の JAVA 資産やハードウェア事業をうまく活用できるのであれば、総合的な IT ベンダとして立ち回ることも不可能ではない。
Microsoft などがイマイチは入り込めていない、しかし Sun Microsystems が強いと言われている金融業界への進出も夢ではないだろう。
微妙に政治的に難しい舵取りを迫られる可能性はあるにせよ、ハードウェア事業を維持する富士通にも運が向いてくる可能性がある。
―――ま、どちらにせよ MySQL は要らないと思うけどね。
Oracle 社の経営手法の強引さ―――自分にはヤクザの地上げにすら見える―――は業界では既に当然の共通認識である。
その Oracle 社の匙加減ひとつに MySQL も JAVA も SPARC 委ねられた。
Oracle 社がそれらをどのように活用していくのか、今後生暖かい目で見守っていこうかと思う。
Oracle 社が招いたのが永久の極夜にならないことを祈る―――
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