墜落日記 - 2009年11月の墜落
2009年11月14日
IT 業界は元に戻るか?
ま~最近は IT 業界がいい加減に疲れてきた節があるのだけど、他に脳がないからと IT 業界に身を投じて 9 年目も半ばを過ぎた現在、状況は悪化の一途を辿っている。
日本における IT 業界のほとんどの会社は、言わば自社プロダクトを持たない会社である。
その収益源は持ち帰りで自社内開発が出来るタイプの請負契約以外にも、受託だけど開発場所が客先に限定されてしまっているタイプの請負契約、派遣ではないけど月々の時間で契約している工数契約、そして純然たる派遣契約と様々だ。
そのような業態が成り立つ背景には、大手ベンダから下請け、二次請け、三次請けと重層構造を持った(建設業界のような)業界構造がある。
上層の会社は自社の社員だけではまかないきれない仕事を最初から確保して、必要に応じて下層の会社を利用するし、下層の会社は上層の会社に人間を都合することで食い扶持を稼いでいるわけである。
その傾向は下層の会社になればなるほど顕著で、IT 業界を知らない人間が何を間違ったかこの手の下層の会社に入社してしまうと、オフィスは事務方が数人だけで大多数の社員の席は社内にない(そもそも全社員が入れるようなオフィス自体がない)という現実に異様な違和感を覚えたりする。
もちろん「充実の教育制度」とか謳っている会社や、「入社3ヶ月は研修期間として技術習得」とか謳っている会社の大多数はそんなことはしていない。
入社して次の日には右も左も分からない客先に経歴詐称の上で放り込まれて七転八倒するのがオチである。
雇う方もそれが分かっているから、技術者などは基本的に使い捨てだ。
これが「員数合わせ」とか「人身売買」とか言われる状況で、IT 業界のかなり大きな範囲で行われている商慣習である。
この様な重層構造を前提とした IT 業界を襲った今日の大不況で、「下層の会社」に属する会社は大きな苦境に立たされている。
仕事の絶対量が減ったので、大手ベンダに入る仕事も減る。
そうすると大手ベンダはプロパー社員を喰わせるために下請けの利用を縮小し、下請けは大手ベンダ以上に仕事が無くなる。
二次請け、三次請け、ましてや派遣ともなると、もはや地獄絵図である。
実例を挙げよう。
業界の大手である富士ソフトは従業員が 6,000 人ほど居るが、それと同数程度、即ち 6,000 人程度の下請け、パートナーを利用していた。
しかし昨今の不況で仕事が減ったため、可能な限りプロパー社員でまかなう方針を打ち立てて、現在では 2,000 人程度の下請け、パートナーを利用しているに過ぎない。
つまり 4,000 人は切り捨てられたのである。
自社プロダクトを持たない会社では上記のような業態が多いので予算額≒人件費であり、仕事が無くなることは給料が無くなることに直結する。
たまに案件が出てきたとしても、案件内容と技術者の業務経歴・技術が完全一致しないと採用してもらえないとか(技術経験と共に業界経験も求められる)、恐ろしく短納期だったり(この時期に出さざるを得ないのだから最初から緊急なのだ)、個人で立ち回れるような即戦力の技術者以外は採用してもらえないとか(能力のある人間なら無能な人間の数倍は働けるからだ)、その他十把一絡げな下層の会社には敷居が高い案件ばかり。
条件が緩い案件にはスキルシートが殺到するが、買う側としては少し待てばいくらでも安い技術者が紹介されるから待てるだけ待つ、以前のように即決したりはしない。
そうすると下層の会社は技術者の売価を下げてでも―――それが原価割れでも―――なりふり構わずに人身売買に走るし、大手ベンダは今までは誰も寄りつかないような低額報酬でも人が集まるので、どんどん安いところに流れる―――結果、死に物狂いで仕事が欲しい下層の会社の売価は下がり続ける。
もちろん、体力が保たない会社も続々と出現する。
賃金を支払うため、短期借入は長期借入に替わり、経営者は取引銀行の与信残高に胃の軋む思いをし、ボーナスは削減ないし無くなり、給与も減らされ、それでもダメなら肩叩きに入る。
疲弊した会社運営は人事面にも影を落とし、能力ある技術者は流出し、転職戦線では生き残れない能力のない技術者だけが残る状態を招く。
酸欠になった池の鯉のようにパクパクと口を開けて仕事が降ってくるのを待つしかない技術者や、会社の窮状などドコ吹く風で仕事がないことを危機にも思わないボンクラがあふれかえるだろう。
調子に乗って新卒採用などバカバカかけていた後だと、もう目も当てられない。
売り物にならない初心者を喰わせるために汲々としつつ中小企業緊急雇用安定助成金制度にすがるのがオチである。
(で、こういう状態になると無駄に能力のない人間を採用した人事部門は自分の責任を棚に上げて仕事を取れない営業を叩きまくったりするが、それはま~それぞれの会社の体質次第だ)
さて、こんなどん底の状態の IT 業界だが、幸運にも経済状態が下げ止まりの、少しずつ上向いてきたとしよう。
だが、元々無駄の多かった IT 業界の重層構造は元に戻るだろうか?
実は、戻るのには更に多くの時間が掛かるか、下手すると戻らないのではないかと思う。
- 顧客の意識の変化
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第一に、今回の不況で顧客の意識が変わってきている。
高率化 IT にしろ戦略 IT にしろ、IT にかける予算は今まで以上に慎重に吟味されるようになるだろう。
それに中小の企業では最近発展してきたクラウドのサービスで充分と、自社内システムを持たなくなる可能性もある。
社内に情報システム部があるのであれば、この不況で自社内での対応範囲を拡げようと画策していた部分もあるだろうから、外部に開発を委託する率自体が減ってくる可能性もある。
つまり、仕事の絶対量が回復するのはずっと先か、そもそも回復しないと言うことだ。
- 技術者の売価の平均が回復しない
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第二に、不況下で一端下がってしまった技術者の売価の平均が回復しない可能性がある。
大手ベンダが外部調達する技術者の売価はこの不況下でドンドン下がってしまったが、少々経済状態が好転したからと言ってこれが即座に元の水準に戻るとは考えづらい。
そうすると国内の下層の会社の淘汰は更に進み、国内の物価に見合う給与を払えなければインドなどの新興国に人材を求めるようになるだろう。
つまり、それまで国内に居た多くの「員数合わせ」とか「人身売買」とかされていた層の技術者は職を失い続けるのである。
- IT 業界自体のコスト意識の変化
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第三に、IT 業界自体のコスト意識が変化していく可能性がある。
IT 業界のコスト意識というのは実はかなり稚拙なものがあり、コスト削減というと精々が単なる節約と下請けを叩いて技術者の売価を下げさせる程度の旧態依然としたものである。
大手ベンダの取り仕切る案件は大概にして巨艦巨砲主義で、良い物を作るには金が掛かるという意識が横行している。
しかし製造業を見てみれば分かるとおりコスト削減とは生産プロセス自体の改善である。
生産プロセス自体を改善し 1 円単位でコストを削減し、良い物を安く作ることで競争力を獲得してきた。
IT 業界の重層構造はこのコスト意識と真っ向から相反する。
今回の不況によって IT 業界の中にコスト意識に目覚める会社が出現したとすれば、IT 業界の中に新たな淘汰が始まることになるだろう。
これら要因を考え合わせると、景気が回復したからと言って今までと同じ状態に戻ると考えるのは、些か楽観視が過ぎるのではないかと思うのである。
今後の IT 業界はどんどん淘汰が進んでいくだろう。
不況による淘汰はその序章に過ぎないのではなかろうか?
2009年11月9日
またまたハードウェア障害、今度は Delphi 広場 番外地
また、ハードウェア障害が発生した。
今度は Delphi 広場 番外地の談話室を運用している DELL サーバだ。
なんか今年はえらい障害件数が多いなぁ~とか思ってみるが、こりゃ電気器具婚式並みだよな、とか思ってみる。
Delphi 談話室は、元々 Delphi 広場を運営されておられた Tsuguo 様の Delphi 広場の閉鎖に際して、今までの資産を無くしてしまうのは非常に勿体ない話であると思い立った自分が、過去ログの公開を主目的として運用の引継を申し出た物である。
その際、取り急ぎサーバが必要になったので(自宅サーバは基本的に全て Linux だった)、慌てて導入したサーバが今回壊れた DELL SC430 だ。
DELL SC430 は廉価も廉価、廉価サーバの走りではないかという時代の、2 万ちょい程度で購入できる廉価サーバであったのだが、紛いなりにもサーバ機だと言うにあまりの安さに飛びついて買ってしまって余られていた当時の会社の後輩から、更に安く買い叩いた物である(爆)
で、どうも今回はメモリがぶっ壊れたらしい。
起こるとしたらハードディスク障害だろうと思っていたのだけど(RAID も組んでないしな)、それよりもメモリが逝くとは………
SC430 のメモリは DDR2-533/667 ECC SDRAM なので購入してもそう高くはないだろうけど、ちょっと洒落にならない経済危機なので、取り敢えず仮想マシンで逃げることにする(爆)
ま、仮想マシンに逃げておけば、将来的に VMware ESXi でまとめてホスト化した際にも VMware vCenter Converter とか使って移行が簡単にできるはずだし(汗々)
………って、なんか今夜はやたらと揺れるな~………地震??
ちなみに体感できるか否かは別として小さな地震は割と頻繁に起きていたりなんかする。
参考 ⇒ http://tenki.jp/earthquake/entries